漢方治療

漢方とは

もともと漢方は中国で発達し、日本で独自の発展を遂げてきた東洋医学です。したがって、現在の日本で使われている西洋医学とは根本的な考え方が異なります。西洋医学は病気とその原因に着目するのに対し、漢方では患者さんの自覚症状をより重視しています。病気に着目するのではなく、症状に着目し、身体全体の不調和を正しくととのえることを主眼としています。人が本来持っている自然治癒力をひきだしたり、症状を緩和したり、体質を改善することを目的としています。

当院の漢方治療

当院では、積極的に漢方治療を摂り入れています。用いるのは、保険診療対象のツムラの顆粒薬です。自費治療による煎じ薬は用いません。当院では、西洋医学をベースに、漢方治療をとり入れています。基本的な治療は西洋医学で行い、補助的に漢方治療を用いることで、西洋医学ではカバーできなかった症状を緩和することを試みています。

漢方治療が適した症状

お腹の症状

お腹がゴロゴロする・今一つスッキリしない、しくしく痛む、等のお腹の症状には漢方治療が適していることがあります。一口にお腹の症状といっても、胃が原因のこともあれば、腸が原因のこともあります。もしくは、それぞれに問題がないにもかかわらず、ストレスなどの精神的な原因でその機能が低下することも知られています。漢方治療はこれらの症状に適しています。

更年期障害

更年期障害とは、閉経前後によるホルモンバランスの乱れのために身体的・精神的に不調をきたす一連の症状群をいいます。これらは、自律神経失調症のひとつとされています。女性は、閉経を迎える時期になると卵巣の機能が衰え女性ホルモンの量が減少します。漢方治療はこれら自律神経失調による不定愁訴の調節にも有効であることが知られています。

泌尿器系症状

尿が出にくい・尿が近い・トイレに間に合わないなどの排尿にまつわる症状は、生活の質を左右するため重大な病気ではなかったとしても、本人にとって大きな負担となります。加齢とともに男性は前立腺の肥大、女性は骨盤底筋群の筋力低下などにより、自然と排尿にまつわるトラブルが増えるものです。当院ではこれらの症状を緩和するために漢方治療を用いています。

冷え性

肩こり・腰痛・不眠・手足のむくみなどさまざまなトラブルは、冷えが原因となってひき起こります。また、冷え性は全身の血液循環の低下のために起こることが知られています。特に女性の場合は、筋肉量や運動量も少ないこともあり、またホルモンの影響により冷え性を起こしやすいとされています。漢方治療を続けることで、冷えを改善することができます。